フライフィッシングのイブニングライズは短期決戦勝負!
フライフィッシングでのイブニングライズは、いつまでも続くわけではありません。
イブニングライズは、早いところでは5月初旬頃から起き始めて、大体9月頃まで続くのが通常です。
5月頃のライズタイムは、まだ明るい時間帯に起こります。そして6月、7月になるに従ってだんだんと気温も上昇していきます。それによって、イブニングライズの時間帯も遅くなっていきます。
梅雨明けの頃には、真っ暗になってから起きることも結構あったりします。
だからこそイブニングライズとも言うんですけれどね。
フライフィッシングでのイブニングライズはゴールデンタイム!
水生昆虫の羽化は、水温、気温、これらの温度差が小さくなればなるほど、活性化する傾向があります。
日中の気温が例えば30℃を超えるような盛夏では、夕方から夜にかけて気温が下がる時に集中して起こるようになるわけです。
このイブニングライズが、なぜ、ゴールデンタイムと言われるのか?
それは、大型のサイズの魚が活発に活動を開始する時間帯でもあるからなんですね。主に大型のサイズの魚は、日中は岩陰や深場でじっとしていることが多いんです。そして警戒心も薄れてくる暗くなってから、集団で羽化する水性昆虫を目一杯食べます。
このときのイブニングライズを誘発する水生昆虫は、主に5月や6月ならば、大型のオオマダラカゲロウやモンカゲロウ。6月以降であれば、ヒゲナガが中心となります。どの個体も3センチ以上の大型サイズで、もちろん、使用するフライもそれに合わせてドライであってもウエットであっても#8以上の大型サイズを使用することになります。
そして、メイフライパターンならば、ホワイトウルフであったり、グレーウルフが定番となってきますね。
イブニングライズが起きる場所は、シーズン初期と同じように、大きなプールが主ですが、水量もあり太い流れの流心でも起きることが多いです。
ライズも例のゴボッていうボイリングライズが中心となることが多い感じですね。
ですので、流れのある場所でも比較的見分けはつき易いと思います。
陽が落ちてくるに従って、だんだんと単発的なライズが始まって、少し時間が経つとライズのピークが始まります。イブニングライズは、本当に長時間続くことはまれで、ピーク時を過ぎたら一気に静かになります。
今までいた魚たちが、全く反応しなくなるんですね。とっても不思議な感じです。
そして、昨日はすごく激しいライズが起きていたにも関わらず、今日は全く起きないなんてこともしばしばあります。これも不思議ですね。
それとアプローチ方法に関してですが、ヒゲナガの場合は、意図的にドラッグをかけてやると有効なことが多かったりします。また、反対にメイフライならば、ナチュラルドリフトが基本になります。
ここは、間違わない方が良いですね。
ヒゲナガのライズにはダウンクロスで!
ヒゲナガを補食している時には、アダルトやピューパの水面での滑降状態やピューパの浮上を演出することで魚を誘いやすくなります。そして、これが釣果を左右する結果にも…。
この演出を行う際には、やはりダウンクロスが有効です。
水面での滑降状態を演出するならば、クロスでキャストした後に、ロッドをそのまま下げた状態でターンさせます。またピューパの浮上状態を演出するためには、ダウンクロスでキャストした後、フライを一旦沈めてライズ地点でロッドを軽くあおってフライを浮かせてやります。
これは、もう伝統的なウエットフライにしても、イミテーション・ウエットにしても同じように有効な方法ですので覚えておいて下さいね。
また、伝統的なウエットフライの場合、どんなフライを選んで良いのか選択に迷うことが多いのですが、これも基準があったりします。
ひとつの基準として、クイルウイング・タイプのものの方がファイバーウイング・タイプよりも良いようです。
スタイルが似ているなんて以上に、クイルウイングの方が水の抵抗を受けやすいために、ドラッグがかかったときにできる、水面でのV字波紋が大きくなるからですね。
実際にヒゲナガが滑降する際も、同じような波紋を残します。
この波紋は、辺りが暗くなった場合でも水中からはかなり目立ちます。なので魚にとっては、そこに餌があるという信号みたいなものなのかもしれませんね。
イブニングライズの注意点
伝統的なウエットフライを使う場合は、2つ以上のフライを結んで探る方法があります。これをドロッパーシステムと言われます。
この方法は、古くから行われてきた方法ですが、1つよりは2つの方がヒットする確率は当然高まります。でもそのぶん、キャスティングでのトラブルも多くなることを覚悟しなければなりません。
イブニングライズは、夕方の薄暗くなってから起こるものですから、暗くなってからリーダーやティペットが絡まると、もう直すことも困難と言うよりも面倒ですし、ライントラブルを直している間にライズが止まってしまうことも…。
それとフライが見にくいからと言って、水面をライトで照らすのは言語道断です。もうそれだけで、ライズは止まってしまいます。
なので、光が拡散しないフレックスライトと言うものが必需品となるんですね。
そして、暗くなる前に自分のポジションをある程度決めておくことです。ライズが起きそうな地点までの距離、流れの状況、バックの樹木の位置なども確認しておきます。それと帰りの車までの道もきちんと確認しておかなければいけません。迷子になっては、元も子もありません。
イブニングライズって、簡単に釣れそうですが結構シビアですよ。
単発的なライズがあって、徐々に大きなライズに発展していきます。なので単発的なライズが起きたときにすぐにキャストをしてしまうと、ライズが止まってしまったりなんてこともあったりします。
気を付けましょう。
ある程度、ライズが安定するまで、しばらく我慢する必要があります。そして至る所でライズが始まったと言ったときに、キャストを始めるようにすると間違いないと思います。
イブニングライズは、本当に短期決戦勝負です。
できるだけ集中して、一気に狙いうちしましょう^^