渓流の淵のポイントと攻略はどうする!?
渓流に必ずある淵。
渓流では、この淵がひとつの大きなポイントとなります。
また結構大物も潜んでいたりする可能性もありますので、見逃さないように注意が必要ですね。
淵の代表的なポイントは4箇所
淵の代表的なポイントは構造から見て、4箇所あります。通常は、淵の落ち込みによって、その下には白泡がたっています。
渓流に行ったことがある方には、ハハーンあそこだなとピンと来ると思うのですが…。
その白泡の下は、水底がえぐられて、カマ状になっています。
先日書いた渓流釣り初心者が覚えておきたい渓流の構造とは?にも書きましたが、カマの先には、水底が下流側に向かって次第に浅くなっていくんですが、この浅くなる部分をカケアガリと言います。
このカケアガリも非常に良いポイントですね。
大物が付く場所でもあります。
そして、カケアガリから浅瀬に続く辺りをヒラキと呼びます。
また次の落ち込みの寸前を落ち込みの肩と言うんですが、これは、横から見ると人間の肩の形に似ていることからそう呼ばれています。
魚の付き場は、条件によりけり
カマであってもカケアガリであっても、ヒラキにしてもそれらどこにも渓流魚はいます。
でも、釣人の多い少ない、季節や気温、そして水温などによって結構はっきりと魚の居付く場所には違いが見られます。
渓流魚は、まだシーズン初期の気温が低い頃は、カマでじっとしてたりします。
カマに潜む場合、水の中を流れる餌は補食しますが、水面に浮いている餌にはまず注意を向けることはありません。
ですのでドライフライで釣ろうと思っても、なかなか難しいと言うことですね。
と言うよりも不可能と言った方が良いかも知れません。
魚が見ていないのですから当然と言えば当然かもしれませんが…。
と言うことはですよ、考え方を変えると、ここに釣れるヒントもありますね。
そうニンフィングの釣りが有効だと言うことです。
これを知っているか知らないかだけで釣果が違ってきますよ。
また最盛期を迎えるとカケアガリが、渓流魚にとっての最も快適な住み家となります。
流れも早すぎず、そして遅すぎず…。
酸素も充分に供給されますから、居付きやすいんですね。
さらに餌が非常にたくさん集まる場所でもあるんです。
また外敵が現れた場合には、隠れ家としてのカマが側にあって、すぐに逃げ込むことも出来ます。
ですから、ここのカケアガリは渓流魚にとっては最高の居場所なんですね。
たぶん、縄張り争いが大変だろうと思います^^
水面下ではどんなバトルが繰り広げられているのやら??
ヒラキは釣人が頻繁に訪れる川の場合は、ここに定位する時間帯は限られます。
シーズン盛期の朝夕まずめ時や、釣人がまだ訪れていない時間帯にしか魚がいないことがほとんどですね。
開けた場所であるために、魚は釣人の気配を感じ易く、そしてすぐに察知します。
そうするとカケアガリやカマの方に逃げて行ってしまいます。
だからこそ、ストーキングと言って釣人側が、気配を消しながら釣り上がるんですけどね。
まあそうは言っても、やはり野生の勘には敵いません。
そして、逃げて行ってしまった魚は、警戒心が強くなりより釣れなくなる…。
と言うことですね。
そして落ち込みの肩は、いろんな場所にいた渓流魚がアタックしてくる場所でもあります。
落ち込みの下やその周囲の岩陰に隠れていた魚が、猛アタックしてくる場所でもあるんです。
なので、当然ドライフライにもアタックしてくるわけで、そんな渓流魚を釣るのは本当に楽しいものです。
淵にはまだまだポイントがありますよ
この淵には、まだポイントがあります。
白泡の切れ目と言われる部分ですが、ここも良いポイントです。
落ち込みによって作られた白泡が少しずつ消えかかったあたりで、流れが複雑に絡み合うので緩流帯と呼ばれるものが作られます。
そして、それに続いてカガミ(鏡)と呼ばれる場所も周辺には形成されます。
白泡の流れの両サイド、これをワキ(脇)と呼んでいますが、この両サイドのワキの部分それと下流域にもカガミが広がっていきます。
また、落ち込みのすぐ両サイドにも当然ながら、緩流帯とカガミは作られます。
このカガミの部分を巻き返しとか、ソデ(袖)と呼んでいるんですが、このソデの由来って、ソデの形状が着物の袖に似ているからなんですね。
このソデの流れは、巻き返しの名前の通り、流れが非常に穏やかに回転しています。
と言うことは、そこに餌も集まりやすく、漂い易くなるんですね。
イワナが好む好ポイントでもあります。
場所によっては、巻き返しを大きくしたようなところがあって、そこのことをタマリと呼びます。
また岩盤の下が水流によって浸食されて、くぼみ状態になっているところもありますが、ここのところをエグレとかエゴと呼んでいます。
どっちにしても緩流帯とカガミが作られることが多くて、最高のポイントですね。
そこで釣れるときには、釣れますが、釣れないときにはうっともすっとも言いませんけれど…。
こういった事を見ていくと、大体魚の付く場所と言うのがわかってくると思います。
一応、今までお話ししてきたことを頭に入れておくと、きっと、あっ!ここがカガミかぁ~とか、ワキかぁ~とかわかると思います。
そして、そのポイントを壊さずに釣り上がれると思いますよ^^
では、そのポイントがわかったところでどのようにして攻めていけばよいのでしょうか?
淵のポイントはどのようにして攻略すればよいのか
では、淵のポイントをどうやって攻めていけば良いのかを見ていきましょう。
淵は手前から全体を細かく丹念に探るのが鉄則
これは、淵だけに言えることではないのですが、必ず狙うポイントは手前からにしましょう。
最初から奥の良いポイントを攻めようと無理をすると、せっかく手前にいるお魚さんたちを逃がしちゃうことになります。
ですから基本は手前からです!
大袈裟に言うと足元からです!
狙う場所やフライを流す筋(フィーディングレーン)は、ほとんど決まっていますので、なるべくポイントに静かに接近して丹念に、そして入念に探るのが良いです。
淵を狙う場合の基本的なアプローチテクニックとして、下流から溯行してきたらすぐにポイントに近づくことはしないで、落ち込みの肩から少し離れた後方に立ちます。
そこからヒラキの一番手前のフィーディングレーンにフライを流します。
流したフライは、あくまでも自然に流れるように、続く落ち込みの肩まで流しきるようにします。
場合によっては、フライが落ち込みに落ち始めてからピックアップするようにすると良いです。
これは、落ち込みの寸前でフライに食らいついて、そのまま落ち込みに落下していくということもあるからです。
なんの反応がない場合でも最低3回は同じレーンを流すようにしましょう。
そして、次はそのちょっとだけ奥(真ん中)のレーンにフライを流します。
ここも最低3回。
次は、またその奥のレーンに…。
と繰り返していきます。
その場合、ラインは長さを伸ばしても良いですが、出来れば短いままちょっとポイントに接近して…。
初心者や入門者と言われるビギナーの方は、近づいた方が良いと思います。
そうすれば、メンディングが出来なくても釣れますから!
ある程度慣れて、上流側へラインを打ち返すメンディングなどが出来るようになったら、その場から奥を狙うようにした方が確かだと思います。
で一通り流し終わったら、次は、またちょっと上へ移動して、岸側のポイントを狙います。
岸側には大きな岩が並ぶやや浅い場所があり、底は砂利底になっていることが多かったりします。
人が多く出入りする釣場の場合だったり、先行者が居た場合、イワナがこうした大きな岩の下などに隠れていることが多いです。
緩い流れを流すか、岩の際に漂わせます。
ここももちろん最低3回。
次に、白泡の切れ目のカケアガリ部分を狙います。
ここはこの淵全体の中でも、特に最高のポイントです。
そして、大型の魚がつく場所でもあります。
なぜって、一番餌が良く流れてくる場所だからですね。
たぶん、熾烈な場所取り合戦を水中では、行っていると思いますよ^^
ここは、フライを白泡の中に落として白泡の切れ目からヒラキまで充分に流し切るようにします。
そして次にその両サイドを先ほどと同じ要領で流します。
流し終わったら次は、流芯の奥側(反対岸側)を狙います。
初心者の内でメンディングなどが出来ない場合は仕方のないことですが…。
ちょっと矛盾する言葉になるかも知れませんが、出来うるならば、なるべく立ち込まないようにした方が賢明です。
その方が魚を蹴散らすことなく、釣れる確率が高くなります。
そのためにいろいろなキャスティングやテクニックがあるわけですから…。
もし、立ち込む場合でも水深が浅く、流れも緩いところを選ぶようにしましょう。
深いところは、流れも重く体力の消耗も結構します。
それにどれだけ深いか、目視で計れない場合も多いので、危険性も高まります。
エグレや巻き返しはフライを漂わせること
エグレは、流れがゆっくりと渦を巻いていることが多く、その渦に任せてフライを漂わせるようにします。
エグレ内を一周したら、ピックアップ。
そして、やはりここも最低3回はフライを流すことを繰り返します。
もしそのエグレが深い感じがするようでしたら、ドライフライの場合は、フライを水面に叩き付ける(タッピング)ようにして強めにプレゼンテーションをするのが常套です。
要するに潜っている魚にフライがここにあるよ~とアピールするためですね。
まあやり過ぎは禁物ですが…。
タマリに関しての攻め方を少し…。
タマリは、先ほど説明したエグレをもう少し大規模にしたような場所で、大きく渦を巻いています。
木の葉などの流下物とか泡などがよく留まっている場所なんですが、深さもあって流れも穏やかです。
直接この場所にフライを落として漂わせるのも良いのですが、落ち込みからの流れに落としてから、このタマリの中に自然に流し込む方法があります。
巻き返しは、エグレと同様にフライを漂わせることが基本です。
ここも、もし深さのある場所であれば、タッピングをして魚の気を引く方が良いと思います。
また、この巻き返しは、ポイントとしては非常に分かり易い上に、ラインを出さなくてもフライを漂わすことが出来るので、初心者の方には一番狙いやすくてやさしい場所のひとつです。
ぜひ、探して隠れている魚をおびき出して釣り上げてみてくださいね^^
以上、簡単に淵に関してのポイントの釣り方を見てきました。
瀬に関しては、瀬の攻略とポイントを見てくださいね。
なかなか文章だけでは伝わらない部分もあるかと思いますが、汲み取って頂ければ幸いです。