ウエットフライのパターンは?
今では、ウエットフライは、伝統的なウエットフライとイマージャー系ウエットフライとに分けられていますね。
それにしても、ドライフライやニンフ、そしてウエットフライなどはどれだけのパターンがあるのでしょう?
たぶん、数えられないと思います。
もうそれこそ、全世界で毎日のように新しいパターンが創造されているのではないでしょうか?
ちょっと大袈裟??
ウエットフライのパターン
ここでは、伝統的なウエットフライとイマージャー系ウエットフライとを見ていきましょう。
先ずは、伝統的なウエットフライから…。
伝統的なウエットフライパターン
伝統的ウエットフライって、ホントに多くのパターンがあるんですよね。
それにパターン名に関しても特定の水生昆虫の名前を付けたり、ニンフのように水生昆虫が変態をして行く姿を現しているような名前を持ったものはないんですよね。
でも名前は、すごく素敵な名前がたくさん付いていますよ。
例えば、ピーターロスやアレキサンドラとか、プロフェッサーだったり、シルバードクターなんて名前です。
面白いと言うか何というか…。
かしこまった名前ですよね。
これは、フライを作った人の名前とか、その人の愛称を付けているものがほとんどなんです。
主にトラディッショナルなウエットフライは、イギリスで考案されたものです。
なんと言ってもフライフィッシング発祥の地ですから…。
でも湖用やシートラウト用として考案されたものもたくさんありますよ。
基本的に、伝統的なウエットフライは、ハックルを下方向にまとめて、ウイングを後方に寝かせた状態で取り付けるのが一般的です。
そうすることによって水の流れの抵抗を受けづらくするんですね。
タイプは、材質の異なるウイングのマテリアルによって変わってきます。
私が一番ウエットフライらしいなと、イメージしていたファンシー型、アトラクター型とも言われたりします。
またそれとは違ってウイングやテールのないものもあります。
そして、イミテート性を感じさせるものと3つのタイプに分かれます。
フェザー・ウイング・タイプ
このタイプは、主に鴨類などの胸部に生えている柔らかなフェザーをウイングとして取り付けたもののことを言います。
ソフトでしなやかなイメージ、それがメイフライのスティルボーンや、流れに飲み込まれたダンなどのイマージャーの状態に近いものに見えるんですね。
淡い色調のものは、どちらかと言うとイミテート的に使われるものもありますが、全体的なこのフライのイメージは、やはりファンシー型のパターンが多いです。
クイル・ウイング・タイプ
このタイプは、鳥類の尾の羽根(クイル)や翼などの一部分をカットして、ウイングとして取り付けたものです。
主に使われるクイルは、鴨類やアヒル、そして雉(キジ)や七面鳥などですね。
こちらのクイルウイングの方がフェザーウイングよりもシルエットが鮮明で、質感的に見ると、メイフライではなく、カディスのイメージの方が近いでしょうか?
またパターンによっては、羽化したてのアダルトであったり、ダイビングカディスなどを時に表現しているものも多々あります。
ソフト・ハックル・タイプ
このタイプは、名前のとおり、長めでソフトなハックルとボディだけのシンプルなタイプなんです。
たぶん、カディスのイマージングピューパを表現しているのだと思います。
他には、浮上するメイフライイマージャーの感じもします。
このフライは、非常に簡単に巻けるフライですが、釣りをするときには、非常に力を発揮してくれます。
イマージャー系ウエットフライ
イマージャー系ウエットフライは、カディス系、メイフライ系、そしてミッジ系に分かれます。
先ずは、メイフライ系から見ていきましょう。
メイフライ
メイフライの場合は、大きくイマージャー系とスティルボーン系の2系統に大別させることが出来ます。
イマージャー系は、なかなか複雑です。
私もまだまだ勉強中の身ですのでわからないことが多かったりします(汗)
イマージャー系
- イマージング・ニンフ
- イマージング・ニンフは、フローティングニンフの前の段階で、水面羽化するタイプのニンフの浮上段階を模したものです。これは、完全にニンフフライとして考えて良いのでイマージャー系ウエットとしては考えないことが多いです。
- イマージング・ダン
- これは、水中羽化するタイプのものを模したものになります。たとえて挙げるならば、ヒラタカゲロウなどですね。これがイマージャーの本来の意味になります。
- イマージャー(不完全羽化)
- この不完全羽化のイマージャーが、イマージャー系のフライでは一番重要とされています。また、このイマージャーは、更に次の3種類のタイプに分けることが出来ます。①フローティング・ニンフ(フローティング・イマージャー) ②ショートウイング・イマージャー これは、脱皮に成功したとしても、まだ翅(はね)が充分に伸びきっていない状態を模したものです。 ③ソフト・ウイング・イマージャー これは、翅が伸びたとしても開かなかったり、よじれてしまったりして完全羽化することが出来なかったものを模したものです。
これらの各タイプの区別は、伝統的ウエットフライと同様にウイングのスタイルで表されます。
スティルボーン系
スティルボーン系は、シャックに特徴があります。
通常はドライフライやイマージャーを元にして、テール部分にシャックと見なすマテリアルを付け加えたものがほとんどです。
ですので、ドライ系スティルボーン(スティルボーン・ダン)とウエット系スティルボーン(スティルボーン・イマージャー)の2つに分けられます。
カディス
カディスは、ピューパに代表されます。
昔から、いろんなイミテーションパターンが造られてきました。
でも基本は一緒です。
スパークル・ピューパというパターンがあります。
このパターンは、以前に別な記事で説明したと思うのですが、ボディを2層構造にしたものですね。
この構造自体、水面に入ったときに気泡を抱きやすく、自然な輝きを演出することができます。
このピューパにパラシュートタイプのウイング、そしてハックルを巻いたものがフローティングピューパになります。
水面下にぶら下がるようにして浮く感じですね。
スティルボーンは、メイフライなどと同様に、アダルトやピューパにシャックを付けたタイプです。
ダイビングカディス、そしてイマージングカディスは、ボディの輝きを演出するために、先ほど出てきたスパークルピューパと同じ2層のボディ構造を持っています。
ユスリカ
このユスリカもピューパがほとんどです。
メイフライで言うフローティングニンフと同じく、水面下にぶら下がった状態で羽化に入るので、このタイプでは、アブダメンとソラックスだけのシンプルなものが多く作られています。
また、ユスリカにもスティルボーンがあります。
このユスリカのパターンもウイングが伸びきらない状態のものを模したものが一般的です。
以上、簡単に伝統的なウエットフライのパターンと、イマージャー系ウエットフライのパターンを見てきました。
私自身、まだ未熟なところがたくさんあるので、なかなか説明がわかりづらい部分があったかもしれません(汗)
今後、また新しくわかった部分や訂正する部分があった場合、順次記事を編集し直して行きますのでお許しくださいm(_ _)m