フライキャスティング シュートとフォルスキャスト
フライキャスティングの基本については、フライキャスティングの基本と練習でお話しさせて頂きました。
今回は、フライフィッシングでは、非常に大事なシュートと、また基本となるフォルスキャストの練習方法について書いていこうと思います。
フォルスキャストの練習方法
さて、このフォルスキャストですが、ピック・アップ・レイダウンのちょっとしたレベルアップ版のような感じのものです。
ピック・アップ・レイダウンがきちんとマスターできていれば、なにも怖いものなどありません。
だからこそ、前回の記事の内容が大事になってきます。復習の意味で何度も読んでみて下さいね^^
フォルスキャストとは?
フォルスキャストは仮のキャストという意味になります。すなわちキャストの準備段階と言うところでしょうか?
フライを遠くまで飛ばすためには、どうしてもラインをある程度まで長く出さなければなりません。ラインが短いほど、そこに飛翔エネルギーが発生しないので遠くへ飛ばすことはできません。
でも、空中へ跳ね上げられるフライの長さには、限度があります。いくらなんでも数十メートルを一気に跳ね上げられる人は少ないでしょう。ですから、最初はなるべく短く、出来れば5メートルから8メートルくらいの長さのラインを空中に跳ね上げて、何度も前後に行ったり来たりさせながら、少しずつラインを出して伸ばしていく方法をとります。
この一連の動作は、フォルスキャストの中でのデリバリーと言う動作になります。フライフィッシングの独特の優雅なイメージもこれがあってこそという感じです。フライフィッシングでは、よほどのことが無い限り一回のフォルスキャストもなしでいきなりプレゼンテーションをすることはないと言ってもいいでしょう。バックが取れないなど、さまざまな原因があった場合は、また別ですが…。
フォルスキャストの練習方法
ラインを8メートルほど、ロッドから出して地面と水平にロッドを構えて、ロッドを真上にゆっくりと跳ね上げて、時計の11時の位置になったら止める。このときリストを閉めることを忘れないで下さいね。この動作のことをバックキャストと言います。
次にラインが後方に延びていって、一直線になったら、次にロッドを前方に2時の位置まで倒します。今度はラインが前方に延びていきます。これをフォワードキャストと言います。
ラインが完全に伸びきったら、ロッドを11時の位置まで、また戻して、ラインが後方に延びきったら、再びロッドを2時の位置まで振ります。これを繰り返すのがフォルスキャストの基本となります。
シュートの方法
このフォルスキャストを何度も繰り返して、ある程度ラインを出したら、今度は、ラインが前方へ延びる勢いにタイミングを合わせて、左手をラインから放す。これをリリースと言います。前方へのエネルギーを解放されたラインは、自然にスルスルと前に飛んで行きます。これがシュートになります。
最初は、足元に落ちたり、くねくねと曲がって落ちていくのが普通です。でも必ず真っ直ぐに伸びていく時が来ますので、それまでひたすら、本当にひたすら練習するしかありません。頑張って下さいね^^
練習のポイントのまとめ
フォルスキャストの時、ラインの重さを感じるようにして下さい。これが感じられない場合は、ラインを出す量が少ないか、ラインループがきちんとできていない事を表しています。
ラインループがきちんと出来ていないとは、ワイドループになっているという判断で良いと思います。一度後ろを振り返りラインの軌跡をたどってみましょう、大きなループが出来ている場合はワイドループです。これはあまり良くないループになりますので気を付けましょう。もちろんワイドループを使う場面も出てきますが…。
ラインに重みを感じなければラインは飛びません。上下に幅が狭くて、綺麗なナローループが出来ているかどうか、最初は、常にこれを意識してまた、確認しながら投げましょう!
ロッドの前後の動きは、何度か申し上げているとおり、フォワードキャストの時には、2時のところにロッドがきたら力を緩め、バックキャストでは、後方11時の位置にきたら力を緩める、これが非常に大事になってきますので意識しましょう。
2時あるいは、11時のところに来たらロッドを急に止めるのも良くありません。少しだけ余裕を持って止めるようにしましょう。これは、ロッドを急に止めた場合ロッドティップ(ロッドの先端部)が、バイブレーションを起こしてしまうためです。ですので、あくまでも遊びの部分が必要となります。
リスト。これがフライキャスティンでは、本当に大事になってくるんですよね。リストの開き具合が、直接ロッドの動きとなって変化します。シュートしたときにロッドは必ず地面と平行になった時には、グリップエンドが手首に接しているようにします。このことをダウンリストと言います。
ロッドを持ち上げて、バックキャストに入っていく時に、グリップエンドが手首から離れていくのが普通です。でもそこを我慢してグリップエンドを手首にくっつけた状態(イメージ)でいるとオープンリストになることはありません。これを充分に気を付けましょう。そうすることでバックキャストのラインがナローループにちゃんとなってラインが失速してしまうこともありませんからね。
先ほどあげた、オープンリストを防ぐためには、バックへキャストすることを意識しないでラインを、後ろ上方に投げ上げるというイメージで行うのが得策でしょう。それとフォワードキャスト時のリストダウンのタイミングも早めにするよう心がけることも大事です。
大体初心者がラインコントロールに四苦八苦している場合は、このフォルスキャストの基本がマスターできていないことが多いです。ラインを前に飛ばすことばかりに躍起になっていて、後方のラインを見ていないことが多いので、そこを少し意識するだけでも随分と変わると思いますよ。
後方を意識するのは、実釣でも一緒です。
後方に藪があればそれにフライを引っかけることもありますし、そうするとリーダーが絡まったり、フライをロストすることにもなります。結構トラブルに見舞われることが多いでしょう。私も最初の頃、知らない間にフライのロストなんて非常に多かったですから(汗)いつの間にかなくなっているんですよね…。
このフォルスキャストが出来るようになると次はダブルホールですね^^
ダブルホールが出来るようになると、フライフィッシングがもっと楽しくなります。でも焦らずに一歩一歩進んでいきましょう。何事も急いては事をし損じると言う言葉がありますから(^_^)/