フライタイイング入門 伝統的ウエットフライのマテリアル
2014年11月29日
フライタイイング入門もこれで最後?
いや、たぶん終わらないかと(汗)
一応、区切りだけは付けたいと思っています。
今までの記事をまとめておきますね。
フライタイイング入門 フックとスレッドの種類
フライタイイング入門 ニンフフライのマテリアルの種類は?
フライタイイング入門 イマージャー系ウエットのマテリアル種類
フライタイイング入門 ドライフライのマテリアルの種類は?使い方は?
もしよろしければ、上記の記事も読んでみて下さいね^^
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伝統的ウエットフライのマテリアル
伝統的って何?って感じなんですが…。
ウエットフライってどんなイメージを持っていますか?
私は、最初ウエットフライを見たときは、フライがすごく綺麗、難しそう、どうしてそんなフライで魚が釣れるの?と言うようなイメージでしたね。見たのは、サーモンフライだったのですけれどね。
伝統的ウエットフライ…。
なんだか、格式張って位の高い殿様、いや西洋だから王様?みたいですが。
ウエットフライって、フライの中で一番綺麗ですよね。綺麗と言うよりもきらびやかの方が合ってますかね。特にサーモンフライ。
そして、巻き方もなかなか難しいものもあったり、マテリアルも結構値段が高いものが多かったりする印象がありますね。そして、昔は今ではワシントン条約に引っかかるようなマテリアルを使っていたりなんてこともあったようです。
でも、手軽に巻けて効果の高いパターンも多いんですよ。
簡単に伝統的ウエットフライに必要なマテリアルを見ていきましょう。
★フェザー・ウイング・タイプ
- パターン
- マラード&ブルー
- ウイング
- ブラウン・マラード
- ハックル
- ブルー・ヘン
- ボディ
- ダビング(ブルー)
- リブ
- オーバル・シルバー・ティンセル
- テール
- ゴールデン・フェザントティペット
- パターン
- プロフェッサー
- ウイング
- グレー・マラード
- ハックル
- ジンジャー・コック(クリーム)
- ボディ
- フロス(イエロー)
- リブ
- フラット・ゴールド・ティンセル
- テール
- グース・クイル(レッド)
- パターン
- ピーター・ロス
- ウイング
- ティール・フランク
- ハックル
- ブラック・コック
- ボディ
- フラットシルバーティンセル&赤いウール
- リブ
- オーバル・シルバー・ティンセル
- テール
- ゴールデン・フェザントティペット
- パターン
- ホスキンズ
- ウイング
- レモン・ウッドダック
- ハックル
- ブルーダン・コック
- ボディ
- フロス(イエロー)、ゴールド・ティンセル
- テール
- クレスト・フェザー
★クイル・ウイング・タイプ
- パターン
- アレキサンドラ
- ウイング
- ピーコック・スウォード&赤のグース
- ハックル
- ブラック・コック
- ボディ
- フラットシルバーティンセル
- テール
- 赤いグース&ピーコック・ハール
- パターン
- シルバーマーチブラウン
- ウイング
- ヘン・フェザントクイル
- ハックル
- ブラウン・パートリッジ
- ボディ
- フラット・シルバーティンセル
- リブ
- オーバル・シルバーティンセル
- テール
- パートリッジ・ファイバー
- パターン
- ブルーダン
- ウイング
- マラードダッククイル
- ハックル
- ブルーダン・ヘン
- ボディ
- ラピット・ファーなど
- リブ
- イエロー・スレッド
- テール
- ブルーダン・ヘン
- パターン
- コーチマン
- ウイング
- ダック・クイル
- ハックル
- ブラウン・コック
- ボディ
- ピーコック・ハール
もう少し、各部に関して詳しく見ていきましょう。
ボディ材
ウエットフライのボディ材には、2種類のマテリアルが多く使われます。それは、何かと言うと…。
フロスとティンセルなんですね。
フロスは、何度か以前にも出てきましたが、ナイロンやレーヨン、シルクなどの繊維をかなり太めに束ねたもののことを指します。綺麗に巻くことができると段差がなくて非常に綺麗で、平らなボディが出来上がります。
このフロスもスレッドと同じくらい、カラーバリエーションが豊富にあります。
ティンセルは、金属製やプラスティックのシートを細く糸のように加工したものです。このティンセルにもさまざまな種類がありますが、ここでは、2種類を挙げておきます。
断面が平らなフラット・ティンセルと楕円状のオーバル・ティンセルです。このティンセルのカラーに関しては、ほとんどゴールドとシルバーの2色を使用することが多いです。
フラット・ティンセルは、ボディに使用し、オーバル・ティンセルはリブに使用されます。
ウイング材
ウエットフライでのウイング材は、例で挙げたように、大きくフェザー・ウイングとクイル・ウイングの2つに分かれます。
ここでは、少し各パターンに使われるウイング材について見ていきましょう。
マラード&ブルーというパターンに使用されているブラウン・マラードなどはマラードダックと言われるマガモの雄のショルダー部分のフェザーのことを言います。
プロフェッサーと呼ばれる有名なパターンがありますが、それに使用されている、グレー・マラードに比べて模様も鮮明ですし、茶色のグラデーションがかかった美しいフェザーです。
その色調(茶色のグラデーション)がより鮮明なものをブロンズ・マラードと言って非常に希少性が高いマテリアルだったりします。ですので、手に入れずらかったり、高価かも知れませんね。
ティール・フランクと言われるウイングもあるのですが、これはティール・ダック(小鴨)のフランク部分のフェザーを使用します。
ピーコック・スウォードは、クジャクの尾羽部(スウォード・テール)のハールで、ピーコックハールと比べ、フリューが豊富で、より玉虫色に輝きます。非常に光沢に飛んだ鮮やかな緑色をしています。
ヘン・フェザントは、リング・ネック・フェザント(高麗雉)というキジの雌でウイングに使用する部分は、翼部のセカンダリー・クイルという部分を使用します。他のウイングマテリアルに関しては、ドライフライやニンフフライで説明してありますが、その他の部位については、ホスキンズというパターンのテールに使用するクレスト・フェザーはゴールデン・フェザントの冠部にある金色に輝く毛を使います。
アレキサンドラで使用する、ウイングやテール、そして先に挙げた、プロフェッサーのテールに使用する赤いグースは、グースクイルを染色したものを使います。
ピーターロスのボディの赤いウールについても染色したものを使用します。ウエットフライでは、マテリアルをさまざまなカラーに染色したものが多用されるのが普通かも知れません。
ウイングのマテリアル別にシリーズやグループを作る
マラード&ブルーは、ボディのカラーを変えた多くのシリーズを持つことで有名ですね。
- マラード&クラーレット
- マラード&ゴールド
- ダンケルド
- コックロビン
- カネマラブラック
などシリーズとして10パターンほどあります。
他にもブラウンマラードをウイングに持つパターンはたくさんあります。サーモンフライをルーツに持つものが多いです。
先に挙げたダンケルドなんて聞いた事が無い人がいるのかと言うくらい有名なパターンですね。
これらは、共通のウイング、ブラウンマラードというマテリアルを使ったグループを形成しているんです。
他の7種類のウイングを持ったパターンと共通していて、ブラウンマラードだけに言えることではないんですけどね。
このグループを形成しているものに、他にもティール・ダック・フェザーを持つファミリーがあります。
ティールブルー&シルバー、ティール&レッドというシリーズが有名ですが、代表格は、やっぱりピーター・ロスですね。これもフライフィッシングをやっている人で聞いた事が無い人はいないでしょうと言うくらい有名なパターンですよね。
マテリアルのティールフランクフェザーと言えば、ピーター・ロスというほど、有名なフライパターンのひとつです。
19世紀末に、すでに湖とかシートラウトなどのパターンとして定番であった、ティール&レッド。これを改良して、作られたのがこのピーター・ロスなんです。名前の由来は、PETER ROSSと言うイギリス人が考案したものだからです。
ティール&レッドから、このピーターロスへの改良点は、ボディの後ろ半分をティンセル材に変えただけなんですけれど、たったこれだけなんですが、もう全体の雰囲気は全くの別物となりました。
伝統的ウエットフライは歴史を超える
ほとんどのフライパターンの名称の由来は、他のドライフライやニンフフライにも言えることですが、非常に面白いものがたくさんあります。
例えば、ウエットフライで有名なプロフェッサー。これは、19世紀初頭にエジンバラ大学の教授、ジョン・ウィルソンが考案されたものです。
またコーチマンからロイヤルコーチマンが生まれたように、既存パターンからの改良も盛んに行われています。ちなみにこのコーチマンも職業名なんです。英国王室専属の馬車を操る COACHMAN の方が考案したものですね。
ウエットからドライ、ドライからウエットやストリーマーとフライタイプを越えて、そして国境を越えての相互交流も盛んな時期がありいろいろなタイプが考案されていったんです。
先ほど挙げた、コーチマンは、イギリスからアメリカへ渡ってドライフライ・バージョンが生まれました。また、そこから改良されてロイヤルコーチマンが考案されました。
そしてそれがウエット・バージョンにも発展していったんです。
こうしたフライパターンの発展史は、良いものは100年を超えても残っていて、そうでなかった物は自然に淘汰消滅されてきました。最近のパターンでもそうですね。たくさん生まれてきましたが、本当の意味で残っているのは、そんなに多くないかもしれません。
淘汰消滅してきた、その基準は釣れる釣れないという機能的な面だけでなく、その時代時代の価値観が大きく反映しています。
この辺は、ワシントン条約なども絡んできていた部分ですね。マテリアルとして昔は使えていたが、今では使えないものがあったりします。ですので、昔のものを再現しようとしても、いくら釣れていたフライパターンであったとしても、今では作れないモノもあります。
このワシントン条約に関してですが、1973年に「絶滅のおそれのある野生動植物保護のための国際取引に関する条約」として採択されたものです。日本ももちろん名を連ねています。
例を挙げれば、アフリカ象やタイマイ、アロワナなどの動植物類の国際取引を禁止あるいは、規制したものですね。
フライフィッシングに関係してくるのは、シールスファー以外に10種類ほどあります。鳥類が中心です。マテリアルとしては、サーモンフライや一部のウエットフライ、ストリーマー用のものがそれにあたります。ですが通常のドライフライやニンフフライ、ウエット等に使用されるものに関しては、あまり問題ないようです。
以上、簡単ですが、伝統的なウエットフライのマテリアルに関して書いてみました^^
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