江戸前アユが復活!?多摩川遡上中!
むか~し昔、徳川将軍家にも献上されたことのある、東京湾で育った江戸前アユを東京都が復活させようと、多摩川へのアユの遡上を支援する事業に乗り出していますね。
東京都が江戸前アユを復活
江戸前アユを復活させるプロジェクトは、昨年2014年からの着手です。
この事業には、もちろん狙いがあって、多摩川全域にアユを分散させて、エサの取り合いを防ぐことと、大きく育ったアユを増やすことですね。
まだ今は小さいですが、水が綺麗でエサとなる苔も多い上流域で育つと、秋になれば20センチくらいの成魚になるらしいです。
多摩川は、以前は非常に水質が悪くて、魚もあまり住めるような状況ではなかったようなんですが、最近少しずつ改善してきて、魚も多くなってきたようです。
そんな中でも、アユが急増してきているのだとか…。
江戸前アユ復活プロジェクト
最近急増している天然アユですが、上流まで遡上できない状況があるみたいですね。
というのも、取水堰があってそれに阻まれているようなんです。
それで天然のアユが上流に遡上出来ずにいる。
そして、上流では、釣り客のために他県産の養殖のアユを放流しているなんていう、おかしなことがまかり通っているみたいですよ。
ならば、単純に取水堰を取っ払っちゃえば良いのにと思いますが、そうは簡単にいかないのが世の常。
なので、多摩川の中流で、天然の稚魚を捕獲して上流へ車で運んでいます。
再来年(2017年)には、この方法で10万匹を放流することを目指しているそうです。
魚道を整備するのと、陸送するのとで金額がどれだけ違うのかは分かりませんが、私は魚のためにも魚道をもっと、魚が遡上しやすいように整備をした方が良いと思うのですが…。
そう簡単にはいかないのでしょうね?
でも、一応、魚道はちゃんと作ってあるようです。
アユも取水堰が多いので、疲れて中流域に留まっちゃうのですかね…。
多摩川の天然アユは、その昔、江戸っ子に親しまれていたそうですね。
なんだか、アユ料理を出す料理屋さんが、今の京王多摩川駅あたりには、軒を連ねていたそうです。
そして、屋形船でアユ漁を見物なんてことも行われていたみたいですね。
それが、1960年代になって下水道整備が追いつかずに、家庭排水によって川が汚染されて、アユが姿を消したらしいです。これは、決してアユだけではなかったと思いますね。他の魚も多くが姿を消したのだろうと思われます。
それから、数十年。下水道整備が整ってきて、多摩地区の下水道の普及率は99%になりました。
下水道整備も整い、下水処理技術も向上し、水が綺麗になって、近年再びアユが遡上するようになりました。
東京都の調査では、ちょっと古いデータですが、2012年には、推定ですが過去最多の1194万匹が東京湾から多摩川をさかのぼっていたようです。
そして、ここ4年は500万匹を超えているそうです。
この調査、1983年から行われているのですね。
で、2012年が過去最多となったようです。今年はどうなのでしょう?
昨年(2014年)は、約541万匹だったそうです。
今年はたぶん、もっと多い遡上が確認できるのでは?と言われています。
まだ遡上調査の結果は先なのでなんとも言えませんが…。
多摩川の中流では、一部が捕獲されて、地元の飲食店とか都内のデパートで売られているそうですよ。
上流では、多摩川で孵化して東京湾で育った、天然もののアユが捕れることはほとんど無いようです。
それもこれも取水堰があるからなんですが…。
それにこの取水堰、1箇所だけではなく、本流だけで8箇所もあるんだとか。
そのため、上流では、2漁協が毎年栃木県などから人工孵化したアユの稚魚、約100万匹を放流しています。
でも、最近では、やはり海釣りが人気らしくて、そちらにお客さんが取られてしまって、遊漁収入も減っているそうです。
釣り客の数も、15年前に比べて半減しているそうです。
なので稚魚の仕入れコストもかさんで、経営が圧迫されているのだとか…。
漁協さんも大変ですよね。
お客さんには、たくさん釣って欲しい。
けれども魚は上がってこない…。
天然アユは、養殖物と違って竿の引きが違うらしいです。
これは、私たちが狙うヤマメやニジマスなどにも言えますよね。
それで、都としてもこのままではいけないとして、中流に留まっている天然の稚魚を捕獲。そして、その捕獲した天然アユを上流にトラックで運んで放流しようというプロジェクトが始まりました。
これも漁協間での引き渡し、買い付けなので、直接都がやっているというわけでもなさそうですが…。
簡単に言うと、下流の漁協さんが捕まえた稚アユを、上流の漁協さんが買い付けてトラックで上流に運び、放流すると言うことです。
でも、養殖に比べると元手も掛からないし、上流の漁協さんにとっては、費用も安く購入出来ると言うことでWin&Winと言うことなのでしょうかね。
一応、昨年からなので、その効果はどうなんでしょうか?
今は、まだ研究段階みたいなので、これからが期待ですね!
このプロジェクトも良いですが、もっと魚道を魚が通りやすくする研究をすることも、必要ではないかと私は思いますけれどね。
全国的に、河川での魚道の整備が必要なところがたくさんあるはずです。
私の住んでいる北海道でもそうです。
その辺も都だけではなく、国としても資源を守るために、力をもっと入れるべきなのではないでしょうか?
と私は思います。